絵の上達法、画力向上方法まとめ

元アニメーター見習いの私が自分が絵が上達した方法や、絵のノウハウについて記します。

とにかく模写する

私は修行時代、模写しまくりました。

模写はインプット作業です。私の場合は、アウトプット作業よりも模写などのインプット作業のほうが多かったかもしれません。

自分でオリジナルの絵を描こうと思ったら、構図や場面設定、服装などを設定してあげないと描けません。

つまり、実際に絵を描くまでに時間がかかります。

ですが、模写であればそこらへんは何も考えずにお手本さえあればすぐに手を動かすことができるのです。

何を模写すればいいか

私が模写した物は主に以下のものです。

  • 実写
  • アニメの原画やキャラ表
  • 漫画

とにかく、自分が描けるようになりたい!と思うものを模写するのが一番です。

実写の模写

わたしは実写の模写というのは主に、手や服のシワなどを模写しました。後はヌードの写真集ですね。

私が模写に利用した資料を紹介します。

手の模写

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手の模写には主に『コマ送り 動くポーズ集〈4〉手編』を使用していました。

『動くポーズ集』シリーズは連続した動作の中から自分の描きたい角度が選べるのでおすすめです。私はこの本で手を模写しまくりました。

手が描けないという方は、こういったポーズ写真集等の資料を買って模写しまくってみましょう。

他には『手足の描き方 マスターガイド (廣済堂マンガ工房)』といった本もあります。私が修行時代に使っていたのは上の本ですが、後から出たこちらもオススメです。

ヌード模写

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ヌードの模写では主に『Art Models 3: Life Nude Photos for the Visual Arts』にお世話になりました。

こちらの本は洋書です。といっても文章がないので英語だろうがなんだろうが関係ないですが。

人体を把握するには服を着ているものより、ヌードのほうが格段にいいでしょう。
ヌードでは、普段見えていない体の部分まで把握できるので、人体をうまく描けるようになりたい場合にオススメです。

ちなみにこちらの本は洋書だからなのか、局部にもモザイクがかかっていませんのでよりこだわって描きたい方にもオススメできます。

あとCDがついていてそちらには、本におさまりきらなかった、ヌードの1ポーズ1ポーズを360度から撮影した回転画像が大量に収録されているので、これ一冊でかなりの資料が手に入ります。

上の写真は、その附属CDに収録されている写真を印刷してファイリングしたものです。

外人の体型より日本人体型が描きたいんだよーという方には『躍動感のあるヌードポーズ (デッサンラボシリーズ)』がオススメです。モデルの方が可愛いので模写以外の目的にも使え

解剖図の模写

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解剖図の模写には『やさしい美術解剖図―人物デッサンの基礎』をメインに使用。上の写真はアニメーター時代の気づきのメモです。

人体を、よりリアリティや説得力のある絵を描くには、そもそも人間の体がどういう構造になっているのか、ということを知ることが大事です。

筋肉がどう着いているか、どう回転するのか、これを知っていると知っていないとでは絵の説得力がかなり変わってきます。

人体をなんとなくで描いていませんか?
どこがどうなっているか、わからないまま、描く度に誤魔化しつつのやり方ではいつまで経っても上達しません。

美術解剖図の模写、そして熟読を絶対に推奨します。

やさしい美術解剖図のほかには『人体デッサン (みみずく・アートシリーズ)』、『美術解剖図ノート (みみずく・アートシリーズ)』などがオススメです。

服のシワの模写

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ヌードは人体を描くためには必須ですが、ヌードの模写ばかりだと、いつまで経ってもキャラクターに服を着せることができません。

私はよく、『衣服の描き方―スーツ・セーラー服篇』で服のシワについて模写しました。

服のシワのでき方にはある程度法則がありますが、それでも説得力のあるシワを描くためにはその都度資料を見ることが大事です。

服のシワの描き方マスターブック (ナツメ社Artマスター)』もオススメです。

実写ではありませんが、服のシワの模写でオススメなのはシワスタカシさんの絵です。

私はシワスさんの絵によって、服のシワフェチになりました。シワスさんの描く服のシワは本当に美しいです。

アニメ・漫画の模写

基本的にアニメーターの方の絵を模写しました。

上で挙げたシワスさんの絵や、他にはアニメのキャラ表の絵が本当にうまくて、それをかなり模写していました。

:: CATSUKA :: Bazar』というサイトでは、アニメのキャラ表が大量に掲載されているので、ここを模写しまくっていました。

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アニメーターの絵は線が整理されていて、しかもデッサンが整っていてお手本としては最高の材料です。

漫画家ですと、絵の良し悪しよりも、一癖も二癖もクセの強い絵の人が多いので、模写としてはクセがなく絵的に整っているアニメーターのほうがオススメです。

キャラ表では、原画集などの本を買って模写するのもありです。

電脳コイル ビジュアルコレクション』では、本田雄さんや井上俊之さんなどの一線級のアニメーターの絵が収録されています。服のシワなども最高にうまくて模写には最適です。