絵の上達法、画力向上方法まとめ

元アニメーター見習いの私が自分が絵が上達した方法や、絵のノウハウについて記します。

ひたすらトレースすることに効果はあるのか?

はじめに結論を言います。

ひたすら絵をトレースすることに効果は

ありまぁす!

トレースだけでも絵は上達する

改めて。絵をトレースすることに画力向上の効果はあります。

といっても、デッサン力が上がるとか空間把握能力が高まるといった効果ではありません。

絵をトレースすること、つまり下絵の描線を正確に書き写すことで期待できる効用は、「線の素人臭さがなくなる」ということです。

どんなに下絵がプロのものであっても、トレースする人が普段絵を描いたことのない人だと、かなり劣化して見えます。それは線の質が低いからです。

線の質が低いというのは、線がヨレヨレだったりへろへろだったりすることです。

幼児の文字などを見てもらえばわかると思いますが、まだまだ線を引く能力が低いためかなりへろへろなことがわかると思います。

絵もそれと一緒で、線の質というものがあります。

動画の人は高い精度のトレースを求められ、その結果線の質が高まる

アニメーターになると、まず動画という、原画の絵をクリンナップ(原画を下絵にして新たにトレースして綺麗に清書)する作業があるのですが、それを毎日行うことになります。(私がいた会社は特殊だったので私は動画は経験していませんが、第二原画という近い役割のことを経験しています。)

しかも、仕事ですからお金も発生するし、実際に放送されるのは原画ではなく動画の自分がクリンナップした絵です。
そういうこともあり、かなり高い精度でトレースすることが求められます。

かなり高い精度でのトレース、つまり「線の質が高い、よれよれ・へろへろしてない、元絵とのニュアンスに相異のない」描線を引くことを毎日何時間も行うわけです。

アニメーターの絵を見て感じたことがある人もいるかもしれませんが、アニメーターの描いた線画は他の一般アマチュアとは線の質自体が違うと思います。

私も実際にこれと同等のことを毎日行ったのですが、線の質がかなり向上したことが感じられました。アニメーターになる前と以後ではかなり線の質が変わりました。

ですので、私の実体験としても、トレース自体に画力向上の効果はあると断言できます。

トレースで得られる効用は画力という大ジャンルの内のたった一部

ですが、もちろん効果を得るには「高い精度でのトレース」が必要不可欠です。

適当に絵を写しただけの行為では、何度繰り返したところで画力の向上は望めません。

また、トレースで得られるのはあくまでも「線の質」という、画力という大きい言葉で括った内の一部の能力です。 デッサン力や空間把握能力というのは別の練習で上げるしかありません。

ですが、もちろん線の質は重要です。他の部分はさておき、線の質が高まるだけで画力の基礎部分が向上されます。
絵の見た目もぐんと良くなるので、練習の一環に取り入れてみてはいかがでしょうか。

実際にトレースってどうすればいいの?

トレースですが、私はアナログでの鉛筆での作業をおすすめします。(グラフィックソフトでは線の補正がかかったりするので、自分の能力とは別の要素が絡んできます。)

トレースには、トレーシングペーパーを使うか、あるいはトレーサー(トレース台)を用いて下から光を当て、下絵を厳密に書き写すというのがよいでしょう。

コスパ的には、長期的に見ればトレーサーの方がおすすめです。

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