画面外のパースを手軽に取る
これはデジタル作画ではなくあくまでもアナログで作画するときの手法です。
普通パースの消失点は画面外にあることが大多数です。一点透視でもない限り画面内にあることは稀でしょう。
画面外にある消失点、特にパースがゆるやかにかかっていて、消失点が果てしなく遠いところにある場合などに正確に作画するためには長い定規や広い作業場が必要となり、とても面倒、あるいは不可能を伴う作業となることがあります。
私がアニメーターをやっていた時に先輩がやっていた手軽に遠くにある消失点のパースガイドを取る手法を紹介します。
白紙の紙の一片を折ります。
続けて、その紙の折り目に沿う形にどんどんと折りたたんでいきます。
すると最終的にはこのような形になり、
紙を広げると、このように放射線状に広がるガイドが得られます。この線は消失点を共有しているのでちゃんとパースのガイドとして使えます。
後はこの線に沿って、定規で黒く線を引いてより強く見えるようにし、紙の下に敷いてトレース台などで透かして使用します。
紙を折るときの角度を変えることで、緩かったり鋭角だったり、いろいろな角度のパース線が得られるので試行錯誤してみてください。
大きめの紙を使用したほうがガイドとして得られる範囲が広がるので、大きい紙を使用するようにしてください。
追記:こちらも参考にしてください。(というかこちらが正解) -> アニメ監督・川崎逸朗氏の画面外に消失点ある場合のパース線の導きガイド - Togetterまとめ
その他の方法
この他には、多少値が張りますがパース定規と呼ばれる特殊な定規を使って作画する方法もあります。
デジタル作画の場合
デジタルで作画する場合は、「CLIP STUDIO PAINT EX」などでは標準でパースの機能がついているのでそういった機能を使用して正確にパースをとることができます。